遠音別岳・南尾根ルート
2015/12/14
知床半島・遠音別岳を、デカいバットレスで有名な羅臼側から登りました。取り付きまで斜度がほとんどなくて、行きも帰りも時間がかかるので辛い……んですが、そのダラダラ歩きを越えてバットレスが現れた時の感慨は深いです。
- 2015年3月29日(日帰り)
- メンバー: 高橋
- 行程: 4:00春苅古丹川サケマス孵化場-5:10緑栄橋手前分岐-7:00春苅古丹川本流・春花川合流地点-10:30南尾根取付き-12:30山頂-17:00春苅古丹川サケマス孵化場
道道87号線を羅臼町方面へ走り左折、春苅古丹川のサケ・マス孵化場へと続く細道に入る。除雪は孵化場から先、河畔の送電設備?の辺りまでされており、一番奥にはUターンも可能なスペースがある。車がすれ違える程度に広くなっている辺りに、適当に駐車する。
まずは長い林道歩きである。数週間前に偵察がてら途中まで行った際、アプローチの林道だけで片道1時間程かかり閉口したので、それも踏まえて今回は日の出前に出発した。アップダウンの少ない直線林道をスキーで歩き、緑栄橋手前の分岐に到着。右へ進む。林道はここから先、春苅古丹川の左岸を徐々に登って尾根を越え、隣を流れる山奥川源流部へと続いていく……と、地形図には記載されているが、間もなく道らしきは無くなった。辺りを見ると川のそばに雪に埋もれた看板と、森林施業のためのものか単管で組まれた橋がある。3月も末ということで、低標高ではもう沢が開いているのではとウェーダーを持ってきていたが、この橋のおかげで即座に要らぬ荷となる。デポした。
これ幸いと橋を渡って、春苅古丹川の右岸へ。右岸には河岸段丘が広がり、木も少なく歩きやすい。Co.240付近、春苅古丹川本流と春花川の合流地点へ向かって進む。この辺りまで来ると沢が雪に埋まっている場所のほうが多く、渡渉に苦労しない。春花川を渡り、春苅古丹川本流との間の平坦地を進む。微妙なアップダウンを繰り返しつつ、だらだらと緩い登りが続き、なかなか標高が上がらない。地形的にこれといったルートもなさそうに思えたので、山頂方向にコンパスを切ってとりあえず直進する。
Co.700付近で視界が開け、遠音別岳・羅臼側名物のバットレスが真正面に見える。知床峠が冬期閉鎖されているこの時期は、アクセスの悪さからなかなか羅臼まで来ることがないので、「遂に念願の」である。
Co.710あたりにある沼の南西の斜面が、比較的斜度が緩そうに見えたので、そこから遠音別岳南尾根に取り付く。稜線上はハイマツの上端が出ている部分が多く、避けながら進む。斜度がきつくなってきたところでスキーをデポ、アイゼンにはきかえ、切れ落ちたバットレス沿いに山頂へ。時計は既に正午を回って雪が緩み、時折ハイマツを突き抜けて膝まで足が埋まるので歩きにくい。快晴の山頂からはウトロ側の開けた大斜面がよく見え、このあとの長い下山と帰りの運転を思うと、そのまま滑り降りたい衝動に駆られた。
スキーデポ地点まで戻り、滑降開始。登りのルートをそのままなぞりつつ、南尾根を降りてそのまま春花川の源頭へ滑り込む。
フィルムクラストが心地よく、独り、雄叫ぶ。標高が下がり沢が開き出す前に春花川左岸の林内へ戻るが、以降は再び斜度が無くなる上に、落ち葉やら何やら雪が汚れているせいか、速度が出ず時折板が止まる。下りも登りも林内ではなく、春花川沿いを行った方がよかったかもしれない。林道に出てからも傾斜がほとんど無いため、スキー下山にもかかわらず、時間も労力も登りと大して変わらないのがつらい。
車に戻ってきたのが17時。とりあえず日没前に降りてこられたのでよかった。ルート取りが良ければもっと短時間で行ける気がするが、アプローチの林道歩きのダルさを考えるとちょっとこれもう今年はいいですねっていう……。