知床一周踏破 2016 08/06~08/09
知床一周 ~ルシャ川―相泊~
- 山行日 2016 8月6日~9日(土~火)3泊4日
- メンバー:CL内海(会員外)、SL大越、内田(記録)
装備
共通装備
- バーナー、ガスカートリッジ、コッヘル(大)、焚火装備(内海)
- 遊泳用補助ロープ3本
(6mm30m 内海)
(8mm30m,25m finetrackフローティングロープ 内田) - GPS (内田)
- テント(内田)
- 無線機(内海)
個人装備
- 沢道具: 沢靴、ハーネス、ヘルメット、カラビナ類、スリング、捨て縄
- 泊まり道具: 寝袋、シュラフカバー、マット、着替え、コッヘル、焚火道具
- 食料:夜(4日分)、朝(4日分)、生米
- 行動食兼昼食、非常食
その他
- ライフジャケット、熊スプレー、個人で必要な物
行程
1日目
- ルシャ川 12:27
- タキノ川 C1 14:47
2日目
- C1出発 6:00
- 蛸岩手前岬 7:49
- カシュニの滝 8:51
- カシュニの岩 9:05
- カパラワタラ 10:30
- 無名岬取り付き 10:56
- 無名岬終了 12:18
- オッキチウシ川 C2 15:10
3日目
- C2 出発 6:00
- イダシュベワタラ 7:34
- ポロモイ川 10:06
- ピヤラモイ 11:06
- 文吉湾入口 11:56
- 知床岬通過 12:36
- アカイワ川 C3 14:25
4日目
- C3 出発 6:10
- 念仏岩 7:20
- ペキンノ鼻 9:26
- メガネ岩 10:16
- 剣岩 10:26
- タケノコ岩 11:35
- 観音岩 13:29
- 相泊 15:15
1日目(8月6日)天候:晴
ルシャ川でヒグマの調査中の知床財団の方々とヒグマ1頭と遭遇。ルシャ川付近はヒグマの出没多発地帯なのですが、いきなりの遭遇に知床の雄大さを感じた。ヒグマとの距離はそれほど近くなかった為問題なく通過できた。
ルシャ川の番屋の周りを囲っている電気策を越える際、番屋の方に「電気が通っているから気を付けろ」と言われるがその直前に柵に触れていたものの電気が流れていない様子だった。大丈夫なのかな?
ルシャの番屋を過ぎてからは海岸線をC1であるタキノ川の番屋まで歩く。ようやく海岸線を歩くことができ知床一周がいよいよ始まると考え胸が高鳴る。
タキノ川までは特に難所はなくせっせと石の上を歩いた。タキノ川には無人の番屋がありロケーションと共にとても良いテン場だった。釣りをするがガヤしか釣れないのですぐに辞める。就寝時間まで時間があり日光浴していると突然人が現れ一同行天する。山形出身の冒険家、関口裕樹さん(http://ameblo.jp/timl40000k/)と出会う。出発前の知床峠で大荷物を背負って歩いている関口さんの姿を見て「どこの山に登るんだろうねー」と3人で話をしていたので、まさかここで出会うとは考えてもなかった。
2日目(8月7日)天候:晴
2日目は泳ぎの連続があり知床一周での核心部だと予想していた。出発直後、蛸岩手前の岩礁帯から短い泳ぎ×2と20mを泳ぐ。さらに次の湾状の岩礁帯の南側は歩けるが、北側はへつれないためホールドを掴みながら40m泳ぐ(以下へつり泳ぎ)。予想していなかった場所での長い泳ぎだったため緊張したが掴めることが出来るホールドが多くありよかった。
ここで出発前に打ち合わせしていた遊泳システム(3人でロープを結び1人が先に泳ぎ後の2人は足場が安定した対岸から引っ張ってもらう)を試す。この遊泳システムは、・沖に流されないように・体力の温存(順番で泳ぐ)・時間短縮を目的とした。この遊泳システムはとてもスムーズに行うことができ有効だった(短い泳ぎはfine track 25m フローティングロープ、長い泳ぎは30mロープ2本繋いだ60mロープ)。
カシュニの滝は難なく裏側を歩き通過、北側は15m泳ぎ途中からへつる。個人的に楽しみにしていたポイントで、滝の落差は想像していたよりも大きく圧巻だった。
2日目の最大の難所である無名岬だと思い取り付いたポイント(上写真)南側はへつり泳ぎ&泳ぎ70m北側30m泳ぎ、難なく通過し安心していたが次の岬の北側を見るとへつれそうにないし海岸がはるか遠くに見えた為これが無名岬だとわかった。初めに大越さんが泳ぎ、距離を測るが長すぎて泳げそうになかった為引き返して内海さんにバトンタッチ、内海さんは順調にロープを伸ばしていましたがこちらからは泳いでいる姿が見えないし、声も聞こえない。60m近くなってもロープが伸びる為「もう海岸からロープを引っ張っているんじゃない」と大越さんと話し急いで準備し海に入ると、なんと内海さんはまだ泳いでおり、僕らがロープを引っ張ったりして準備している時、内海さんはロープに引っ張られて進まないので溺れそうになりながら懸命に泳いでいたらしい。ロープをほどかないでくれてありがとうございました。その後内海さんが無事に海岸に着き後の2人も引っ張られ海岸に着いた。内海さんは約20分間泳いでおりぐったりとしていた。30分間休憩して改めて出発する。朝から泳ぎの連続で疲労感MAXな状態で巨岩帯を抜け(僕は楽しかったが大越さんはかなりしんどかったらしい)15:10にC2であるオッキチウシ川に着く。この日は泳ぎの連続で防水対策が甘く荷物に海水が浸水したり、海にさらわれたりした物が多数あった。
・内海さん:無線機
・大越さん:携帯電話、熊スプレー
・ウチダ :携帯電話、行動食2/3
幸い天気がよかったため乾かせられる物はすべて乾いた。
3日目(8月8日)天気:晴
のんびりと朝食を食べていると大越さんがヒグマに気付く。他2人はヒグマから背を向けていた為全く気付かなかった。かなり近くまで接近したがヒグマはこちらには無関心のようで緊張感はそれほどなかったがクマスプレーは手に取った。海岸を歩きその後出てきた沢に戻って行った。
出発からすぐに今日の泳ぎポイントであるレタラワタラ(短い泳ぎ×3)、イダシュベワタラ(25m、上写真)ポロモイ手前(短い泳ぎ)をさっくりと通過しポロモイの海岸を歩く。ポロモイの番屋は人がいてオリンピックを見ていた。
ポロモイから先は綺麗な浅瀬をひたすら歩く。途中獅子岩付近で知床エクスペディション御一行と親子熊と遭遇する。どちらとも刺激的過ぎて大越さんは興奮状態だった。一方、内海さんは冷静だった。
文吉湾の番屋横から知床岬の草原地帯にアクセスできる。草が伸び放題でとても疲れる。知床岬に看板があることを知らずに勝手に最東端と判断し3人で記念撮影する。C3のアカイワ川まで歩く。夜中から雨が降り出し、外で寝ていた内海さんがテントに飛び込む。
4日目(8月9日)天気:晴
夜から降り出した雨は止まずに降り続いた。当初の予定ではアカイワ川から相泊を2日間で歩く予定だったが、翌日の方が天気が悪い予報だったため羅臼側は1日で歩くことに変更した。
カブト岩~念仏岩までの間だけ泳ぎがあった。4日目となると短い泳ぎは何も問題なく通過できるようになった。その後滝ノ下あたりまで巨岩帯が続き3人の体力を奪っていく。
なるべく巻き道を使わず海岸を繋げたかったが時間短縮の為ペキンノ鼻は高巻きした。(上写真)巻き道はしっかりした道になっているので容易だった。メガネ岩、剣岩を越えてモイレウシの湾に到着する。本来の予定ではC4だったが通過する。晴れていたらとても綺麗な景観だと思った。
観音岩は高巻いた。上には観音様がたくさんあり、今回の山行が無事終わるように手を合わせた。
観音岩からは小さな岩の海岸が続きだらだらと続き大変疲れた。相泊についた時には3人共足の限界を迎えていた。